
バンコクの街を歩けば、どこにいてもエネルギッシュな熱気と、絶え間ない車の音が追いかけてきます。
そんな賑やかさの真ん中、巨大なショッピングモール「セントラルワールド」の5階に、CHABATREE(チャバツリー)のお店はあります。
一歩その空間へ足を踏み入れると、さっきまでの喧騒が嘘のように遠のいていくのがわかります。


ふわりと鼻をくすぐるのは、どこか懐かしく、清々しい木の香り。 整然と、けれど温かみを持って並ぶ木の道具たちは、都会の真ん中にいることを忘れさせてくれるような、穏やかな静寂を湛えています。
それは、ただ「お買い物」をする場所というよりも、タイの豊かな森と、そこで実直に木と向き合う職人たちの呼吸に触れる、小さな「休息の場所」のよう。
一本の木が、私たちの暮らしに馴染む「道具」へと形を変えるまで。 その背景にある、優しくも力強い物語の始まりです。

素材の物語:ゆっくりと、森が育てる時間
お店で触れた、あのしっとりとした滑らかな手触り。
その心地よさの理由は、タイの深い森、チャバツリーが大切に見守っている「プランテーション(計画的植林地)」にあります。

チャバツリーの道具に使われるチーク材は、人々の手で長い年月をかけて健やかに育てられたものです。太陽の光を浴び、雨の恵みを受け、ゆっくりと時間をかけて蓄えられた木の密度。それが、手にした時のあの絶妙な重みと、丈夫さの理由です。




驚くほど滑らかなその表面は、化学塗料で素材を覆うことなく、天然由来のオイルだけで仕上げられています。 「口に触れるものだから、森と同じくらい清らかでありたい」 そんな想いが、使うたびに伝わってくる。
チャバツリーの道具が、ただの「モノ」以上に温かく感じられるのは、きっとその背景に流れる、ゆったりとした「森の時間」が閉じ込められているからかもしれません。




受け継がれる知恵:タイの暮らしが育てた「木工の記憶」
大切に育てられた木材が、最後に行き着く場所。そこには、黙々と木と向き合う職人たちの姿があります。
チャバツリーの職人たちが持つその卓越した手仕事は、一朝一夕に身についたものではありません。そこには、古くから豊かな森とともに生きてきた、タイの人々の深い知恵と歴史が静かに息づいています。
タイの暮らしにおいて、木は切っても切り離せない「家族」のような存在でした。 高床式の家を建て、川を渡る舟を削り出し、日々の食卓を彩る器をこしらえる。生活のあらゆる場面で木と対話し、その性質を知り尽くしてきた彼らには、親から子へ、子から孫へと受け継がれてきた「独自の木工技術」があるのです。



物語の結実:暮らしに寄り添う、チャバツリーの道具たち
タイの森で育まれた時間、受け継がれてきた伝統、そして職人の指先の記憶。それらがすべて形となったのが、チャバツリーのプロダクトです。
最後に、あなたの暮らしにその物語を迎え入れるための、代表的なアイテムたちをご紹介します。
ガラスと木の調和 CHABATREEのキャニスター
チャバツリーを象徴するアイテムのひとつが、このキャニスターです。凛としたガラスの冷たさと、蓋に使われた木の柔らかなぬくもり。そのコントラストは、キッチンに置くだけで、そこが特別な場所であるかのような静かな存在感を放ちます。 密閉性を高めるためのパッキンさえも、長く使えるよう配慮され、コーヒー豆やスパイスを森の記憶とともに大切に守ってくれます。

指先が喜ぶ「カトラリー」
ショップの壁一面に並んでいた、あのスプーンやフォーク。手に取ると、驚くほど軽く、そして滑らかです。 職人が一本ずつ削り出した曲線は、唇に触れた瞬間にその優しさが伝わります。金属のカトラリーにはない、熱を伝えすぎない木の特性。温かいスープや、朝のヨーグルト。そんな何気ないひとときを、もっと心地よいものに変えてくれるはずです。

育てる楽しみ「カッティングボード & プレート」
力強い木目が美しいプレートやボードは、まさに「木は生きている」ことを実感させてくれる道具です。 使うほどに、そしてお手入れ(オイルケア)を重ねるほどに、木は深い色合いへと変化していきます。傷跡さえも、家族で囲んだ食卓の思い出として刻まれていく。それは「消費」するのではなく、一緒に「歳を重ねる」道具のあり方です。

今日から、あなたのキッチンに。 使い込むほどに愛おしくなるチャバツリーの道具たちは、慌ただしい日常の中に、ふと深呼吸したくなるような「森の静寂」を届けてくれることでしょう。